一次性下肢静脈瘤における大伏在静脈逆流範囲と臨床的重症度との関係

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  • The Relationship between the Extent of Reflux in the Long Saphenous Vein and the Clinical Severity in Patients with Primary Varicose Veins

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<p>一次性下肢静脈瘤129人181肢に対し,大伏在静脈の逆流範囲が皮膚病変等の臨床的重症度にどのように影響するかを,duplex法と反射式光電脈波(PPG)を用いて検討した.色素沈着,湿疹,皮膚硬化,潰瘍をもつ皮膚病変群では,皮膚病変を有しない単純静脈瘤群に比べ,大伏在―大腿静脈接合部から内果まで大伏在静脈全長にわたり逆流を伴う症例が有意に高率であった.また大伏在静脈全長にわたり逆流のみられる群では,膝下で逆流が終わる群に比較し,反射式光電脈波による下腿の1/2再充満時間(1/2VRT)は有意に短縮していた.さらに,膝下で駆血し表在静脈を遮断したときの1/2VRTの改善度に,下腿の不全交通枝の有無による差を認めなかつた.上記の結果から,内果までの大伏在静脈全長に逆流を認める症例では,下腿の静脈機能障害が高度となり皮膚病変を合併しやすいこと,また皮膚病変の発生には不全交通枝よりも表在静脈の逆流が大きく関与することが考えられた.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 16 (5), 325-330, 2005

    日本静脈学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (23)*注記

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