Fake as Literary Forgery : Akutagawa Ryunosuke, Tanizaki Jun-ichiro and Ishikawa Jun

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  • 偽書というフェイク : 芥川龍之介、谷崎潤一郎、そして石川淳
  • ギショ ト イウ フェイク : アクタガワ リュウノスケ 、 タニザキジュンイチロウ 、 ソシテ イシカワジュン

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Abstract

偽書は、事実(ファクト)もしくは現実(リアル)と虚構(フィクション)とのあいだに位置づけられる、もう一つの虚構(フェイク)であり、独特の事実=現実らしさ(リアリティ)を虚構(フィクション)に与える。芥川龍之介「奉教人の死」、谷崎潤一郎「春琴抄」、石川淳「喜寿童女」といった偽書の趣向に基づく近代以降の小説は、現実を拒絶して虚構に向かう指向とあわせて、近代以前の諸テクストによって自らを根拠づけようとする、いわばインターテクスチュアリティへの指向を有する。森鷗外の歴史小説や史伝はその先例とみなされ、たとえば「喜寿童女」は「渋江抽斎」にならった可能性がある。偽書をめぐる考察は、文学の想像力の本質にかかわる。

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