ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の診療の実際

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タイトル別名
  • Heparin-induced Thrombocytopenia (HIT) in Clinical Practice

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説明

<p>ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリンの重大な副作用であるが,本邦における認識は十分ではない.ヘパリンを使用している日常臨床では,必ず遭遇する医原性疾患であるので,HITの存在を念頭においてヘパリンを使用すべきである.すでに,欧米ではHITの診断と治療法はほぼ確立しており,症例報告が散見するに過ぎない本邦のHIT診療の現状とは格段の差がある.しかし,米国FDAで本邦で開発された抗トロンビン薬(アルガトロバン)が,HITの予防,治療薬として承認されて以来,HITに対する関心が高まってきた.本邦のHITは,透析導入期に回路内凝血で発見されることが多く,回路内凝血の鑑別としてHITが注目されるようになった.また,HITの確認診断に,ヘパリン・PF4複合体抗体の検査が日常臨床で実施されるようになり,診断精度が向上した.あわせて,HIT治療に抗トロンビン薬を実際に使用して,予後の改善が図られているのが現状である.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 15 (4), 287-293, 2004

    日本静脈学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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