バッファゾーン整備に伴う木質資源利用の持続可能性

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タイトル別名
  • Sustainable use of wooden biomass produced from buffer zone against wildlife

抄録

<p>獣害対策のひとつにバッファゾーン整備があるが,管理の継続が課題である.本研究では、バッファゾーン整備で発生する木質バイオマスの活用と収支を明らかにし,持続的利用の可能性について考察した.兵庫県南あわじ市馬回集落において,整備予定範囲(二次林:3.2ha)の資源量を推定し,2020年度の伐採面積,活用方法,および収支に関する聞取りを行った.その結果,二次林の推定材積は約7,200t,2020年度の伐採面積は0.24haであった.伐採面積で換算すると,約13年で予定範囲を一巡することになり,同規模のまま間伐管理すれば,再生可能であると考えられた.発生した木質バイオマスは,住民によって主に3種類の薪に加工され,市内の施設に販売されていた.ただし,取組は,利益重視でなく,作業を通じた住民同士の交流の場として位置づけられ,集落維持に重点がおかれていた.経費の88%は人件費であったが,伐採・搬出・加工作業の中心は数名の住民であり,外部者雇用費は経費の10%にとどまった.2020年度売上は約130万円で,経費を30万円下回ったが,地産地消で輸送コストはかかっておらず,作業効率の改良などで,継続可能な範囲と考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947526608128
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_247
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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