房総半島のキョンの密度増加における生態学的要因の解明

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タイトル別名
  • Ecological factors causing the density increase of Reeves's muntjacs in Boso Peninsula

抄録

<p> 千葉県の房総半島に生息するキョンは中国東南部や台湾を原産とする小型のシカであり、特定外来生物に指定されている。キョンは定着が確認されて以降、密度を増加させる傾向にあり、森林生態系や農林業への影響が懸念されている。一方、暴走半島にはニホンジカも高密度で同所的に生息しており、キョンの密度増加の背景にはニホンジカと異なるニッチを利用していることが考えられる。本研究ではキョンとニホンジカの違いに着目し、生息地利用と日周性を明らかにすることで、キョンがニホンジカとの競争を回避しているのかどうかを検証した。2021年9-11月に東京大学千葉演習林郷台エリア(千葉県鴨川市・君津市)の天然林及び人工林に29台の赤外線センサーカメラを設置し、キョンとシカの動画を撮影した。そのデータから、キョンとニホンジカの個体ごとに警戒行動・採食行動の時間を計測した。また、撮影された日時から日周活動のカーネル密度推定を行い、夜間と薄明薄暮時間帯の活動性を算出した。そして、行動や日周性の指標と環境要因の関係を解析した。その結果、キョンとシカでは、行動や日周性に影響を及ぼす要因が異なり、行動の時間配分にも有意な種間差が見られた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947526652800
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_599
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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