カリウムを施肥したヒノキの葉、樹皮、材、および枝の放射性セシウム濃度
書誌事項
- タイトル別名
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- Radiocesium concentrations in needles, bark, wood, and branches of Japanese cypress trees fertilized with potassium
説明
<p>福島県川内村に3年生ヒノキ苗を原発事故後に植栽し、カリウム施肥区と非施肥区を設けた試験を2014月から現在まで行っている。このヒノキを用いて、1)カリウム施肥によるセシウム吸収抑制効果があったか、2)採取しやすい葉の放射性セシウム濃度から他の部位の放射性セシウム濃度の推定できるか、を確認した。2018年と2020年の秋に植栽木を8本ずつ採取し、各部位に分けて放射性セシウム濃度を測定した。2018年は根から掘りあげ、葉、枝、幹、根に分け、幹の高さ0cmから40cmは樹皮と材に分けた。2020年は根元から切り倒し、葉、枝、幹に分け、幹は高さ100cmから150cmは樹皮と材に分けた。樹体の放射性セシウム濃度は、材<枝<葉<樹皮であり、すべての部位でカリウム施肥区<非施肥区だった。葉と他の部位の放射性セシウム濃度には正の相関があり、決定係数は、2018年は、葉と樹皮は0.82、葉と材は0.93、葉と枝は0.97、葉と根は0.94であった。2020年は葉と樹皮は0.93、葉と材は0.98、葉と枝は0.99であった。これらの結果から、カリウム施肥は根からのセシウム吸収を抑制する効果があり、葉の放射性セシウム濃度から他の部位の放射性セシウム濃度を推定できると考えられる。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 677-, 2022-05-30
日本森林学会