伐採後熱帯二次林に密生するマント群落がバイオマス回復速度へ与える影響

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タイトル別名
  • Effect of fern/vine thickets coverage on the biomass recovery rate in a Bornean logged-over tropical secondary forest

抄録

<p>熱帯二次林の地上部バイオマス(AGB)は二次遷移の進行に従い、撹乱数十年で成熟林水準まで回復するとされてきた。しかし、ボルネオ島の伐採後二次林では、残存木がシダやツルの密生群落(密生マント群落)に被覆され、数十年に渡りAGB回復が停滞したとみられる森林が広く観察される。本研究では、密生マント群落に被覆された伐採後二次林のAGB回復の実態解明に向け、以下の3つを行った。まず、密生マント群落の被覆傾度に応じて設置した17個の地上調査区を用い、2014–2019年の回復速度を実測した。次にドローン画像を教師に衛星画像分類モデルを構築し、植生図を作製した。また、衛星画像より2014年と2019年のAGB地図を作成して、植生図と組み合わせて解析することで、地上調査区で観測された局所的な現象が景観レベルで広く観察されるかを検証した。</p><p>密生マント群落に高度に被覆された森林は、低被覆林と比べAGB回復速度が1/4程度と遅かった。調査対象地の約3割が密生マント群落に被覆され、景観レベルの解析でも高度被覆林におけるAGB回復が遅いことが示された。本研究より、密生マント群落被覆によるAGB回復阻害がボルネオの伐採後の森林で広く起きていることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947534809984
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_449
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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