スギ林を対象にした斜面安定解析の例
書誌事項
- タイトル別名
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- Analysing stability of slopes of Cryptomeria japonica
抄録
<p> 樹木は根系を斜面内部に張り巡らせることにより表層の崩壊を防止していると考えられている。立木は植栽されてから生長に伴って地上部の重量や根系量が大きく変化する。また、収穫などのために伐採がなされると、残された根株周辺の根は腐朽してその強度を低下させる。従って、根系による斜面の補強効果は、立木の状態に応じて変化している。</p><p> ここでは、国内で最も多く生育しているスギを対象に、50年生の立木を皆伐した斜面にスギを新規植栽したケースを考え、50年後まで5年~10年毎の地上部重量および根の補強強度の経年変化を考慮した上で、表層全体が飽和に至るような豪雨時における斜面の安定解析(1 mメッシュ)を実施した。</p><p> その結果、斜面が危険と判定されるメッシュ数は、伐採から5年後までに急激にその数が増大すること、10年後に最大値をとること、15年後の危険メッシュ数は5年後よりも減少することがわかった。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 553-, 2022-05-30
日本森林学会