キヤースの優先関係を変える教友の法判断の効力 : 14世紀に再評価された11世紀以前のシャーフィイー派の法理学説

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タイトル別名
  • How the saying of the prophet's companion (Qawl al-Ṣaḥābī) affects the precedence of legal analogy (qiyās) : early legal theories prior to the 11th century re-evaluated by later Shafi‘īs in the 14th century
  • キヤース ノ ユウセン カンケイ オ カエル キョウユウ ノ ホウハンダン ノ コウリョク : 14セイキ ニ サイヒョウカ サレタ 11セイキ イゼン ノ シャーフィイーハ ノ ホウリ ガクセツ

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抄録

預言者ムハンマドの教友の法判断は、神の啓示や預言者ムハンマドの言行を解釈するための資料として、初期スンナ派法学では啓典や預言者のスンナに次いで重んじられた法源の1つであった。しかしこれまでの研究で明らかにされているように、スンナ派4法学派の中でもシャーフィイー派は教友の法判断の法源性を否定することを通説とした唯一の学派であるとされたこともあり、同学派において教友の法判断がどのように活用されたかに関しては十分に解明されていない。本稿では14世紀のアラーイーとザルカシーの著作から、11世紀以前の初期シャーフィイー派法理学説における教友の法判断の法理学上の機能に関する論争を掘り起こす。この法理学論争の分析を通じて本稿では、主キヤースの強弱・優先関係の入れ替えに与える教友の言説の判例としての規範性と機能の有無に関する議論が交わされていたことを具体的な実定法の例を踏まえて明らかにする。

収録刊行物

  • 一神教世界

    一神教世界 13 54-75, 2022-03-31

    同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)

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