PITタグを用いて推定したトドマツ林に生育するミズナラの動物種子散布

DOI
  • 中西 敦史
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 石橋 靖幸
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 伊東 宏樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 山本 茂
    林野庁北海道森林管理局森林技術・支援センター
  • 谷村 亮
    林野庁北海道森林管理局森林技術・支援センター
  • 佐藤 太一
    林野庁北海道森林管理局森林技術・支援センター
  • 山嵜 孝一
    林野庁北海道森林管理局森林整備部

書誌事項

タイトル別名
  • Animal seed dispersal, estimated by using PIT tags, from <i>Quercus crispula</i> in <i>Abies sachalinensis</i> plantations

抄録

<p>北海道紋別郡遠軽町の2箇所の国有林において、トドマツ人工林に生育するミズナラの動物による種子散布パターンを、PITタグ(受動無線周波標識)を用いて明らかにした。植栽地に隣接したトドマツ残存林内にPITタグ挿入ミズナラ種子を設置したところ、両試験地とも大部分がアカネズミ類により持ち去られたことがこれまでに分かっている。持ち去られたPITタグ挿入種子を、送受信機を用いて探索した結果、発見された種子(食べられてPITタグのみになった場合も含む)の平均散布距離は、両試験地ともに短く(3.2mおよび2.2m)、また、それらの全て、またはほとんどがそれぞれの残存林内の散布だった。そして、ボサ(伐採後に集積された幹・根株・末木枝条など)が残存林の林縁に多くあった試験地では、検出された種子散布の半数以上がボサの下への散布だった。一方、ボサが残存林の林縁にない(または少ない)試験地では、検出された種子散布の約2割は根株や石の下または倒木の中や下といった実生の発芽・成長が難しいと考えられる場所への散布だったが、約8割は地表、落枝下、落葉下、落葉下の土壌中またはリターのない場所の土壌中への散布だった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947542724224
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_145
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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