人工林伐採跡地の植生発達に伴う森林性ネズミによる堅果運搬場所の変化

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タイトル別名
  • Variation in the spatial distribution of acorns dispersed by <i>Apodemus</i> mice associated with vegetation development

抄録

<p> 伐採地で再造林を行わない場合、天然更新による広葉樹林化は伐採地の植生回復に重要となる。堅果の伐採地への散布に関し、演者らがスギ人工林伐採後3年目に行った調査では、堅果の伐採地への運搬距離は照葉樹二次林の林縁から10m程度であり、下層が繁茂した場所へ運搬される傾向が示された。現在は当時に比べ植生が発達しているため、ネズミの生息環境が変化し、堅果の運搬場所も変化している可能性がある。</p><p> 本研究では、森林性ネズミによる堅果運搬について伐採後3・4・17年目の調査結果を比較し、堅果運搬状況の変化を確認することを目的とした。</p><p> 調査は宮崎県宮崎市に位置する田野フィールドで行った。2007年12月に300個、2020年12月に60個の磁石入り堅果を、伐採跡地と隣接する照葉樹二次林の林縁に設置し、2021年9月~2022年1月に金属探知機を用いて捜索を行った。</p><p> 堅果の伐採跡地方向への平均運搬距離は、伐採後3年目は2.5m、4年目は6.1m、17年目は14.2mであった。また、堅果の運搬割合が高かった場所は、伐採後3年目は林縁と照葉樹二次林、伐採後4年目は伐採跡地、17年目は伐採跡地、スギ人工林、林縁であり、年ごとに堅果運搬場所の傾向が異なっていた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947542750720
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_322
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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