ノキシノブ葉面から分離された菌類

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タイトル別名
  • Fungi isolated from phylloplane of <i>Lepisorus thunbergianus</i>

抄録

<p>葉の表面を指す葉面(phylloplane)は,陸上微生物最大の生息場所の1つと考えられている.この葉面上には,植物を基質とする菌類だけでなく,葉面上の他の生物,花粉や塵といった堆積物などを基質とする多様な菌類種が存在すると考えられている.しかしながら,葉面に存在する菌類(葉面菌)は胞子や酵母,菌糸などの単純な形態で存在することや,その単純な形態ゆえに種同定が極めて難しいことから,生態学的役割について未解明な点が多い.そこで本研究では,葉面菌の生態学的役割解明に向けたそれら菌の同定基盤の構築を目指し,林内で容易に観察されるノキシノブ(常緑シダ植物の一種)の葉面より分離された菌類の多様性解明を行なった.異なる地域や時期に採取したノキシノブ71標本の葉面から420菌株を分離し,rDNA LSU領域の塩基配列を用いてそれら菌株の簡易同定を行なった.そして,そのうち分離頻度の高い17種について,詳細な種同定を行った結果,約半数にあたる8種は未記載種と考えられた.今後,葉面菌の生態学的役割を明らかにするためには,これら多様な菌類のさらなる分類学的研究が必要である.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947542817536
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_639
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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