戦後教育史における「教育の現代化」から総合学習・オルタナティブ教育への連続性

書誌事項

タイトル別名
  • Continuity of the “Modernization of Education” in Postwar Educational History to Integrated Learning and Alternative Education:
  • Based on Course Lessons Adopted in Practice by Okuchi Kiko and Toriyama Toshiko
  • ――奥地圭子と鳥山敏子の授業実践を起点として――

抄録

<p> 本稿の目的は,小学校教師の奥地圭子と鳥山敏子の授業実践に着目し,「教育の現代化」の時期に完成した教科体系が,どのように次の時代に引き継がれたのかという様相を明らかにすることにある。1957年のスプートニク・ショックに端を発した西側諸国における教育内容の「現代化」は,日本の場合,「官民」ふたつの潮流によって支えられていた。ひとつには,1960年代後半に,科学技術の発展と人的資源の育成に対応するために,教育内容の高度化が教育政策として意図された「官」の潮流がある。もうひとつには,「官」の潮流に先んじて,民間教育研究団体によって試みられた「民」の潮流がある。「民」の潮流は,経験主義から系統主義への教育内容の転換と,学習指導要領に対抗するため日本教職員組合によって提起された「教育課程の自主編成運動」を背景として形成された。「民」の潮流の「現代化」は,学校教育現場が主体となって,教科教育の体系を創出した事例として,戦後教育史において重要な史実として位置づけられている。ただ,先行研究では,従来,「現代化」のその後の史実,経緯については言及されてこなかった。本稿では,この経緯について,奥地と鳥山の授業実践に即して検討し,両者の「いのち」の授業が社会科教育の「現代化」の成果に依拠して創出されたものであることを明らかにした。</p>

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参考文献 (1)*注記

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