オゾン濃度の増加が遺伝的背景の異なるスギ稚樹の光合成と成長に与える影響

DOI
  • 飛田 博順
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 上野 真義
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 深山 貴文
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 伊豆田 猛
    東京農業大学大学院農学研究科
  • 松本 麻子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 内山 憲太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 矢崎 健一
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 上村 章
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 北尾 光俊
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of increasing ozone on photosynthesis and growth of cedar cuttings with different genetic backgrounds

抄録

<p>スギはオゾンに対する耐性が高い樹種として位置付けられる。スギ系統間でオゾンに対する成長応答が異なることが示されたが、そのメカニズムの理解までは至っていない。本研究では、スギのオゾン耐性機構を解明することを目的として、遺伝的に分化した3系統(ウラスギ、オモテスギ、ヤクスギ)を材料にオゾン付加実験を行った。苗畑の開放型オゾン暴露施設内に挿し木苗を植栽し、通常大気の2倍のオゾン付加処理を2成長期間行った。2年目の夏以降に、一年生と当年生シュートの、光合成活性、揮発性有機化合物生成量、活性酸素消去系酵素活性、抗酸化物質濃度の測定と発現遺伝子の解析を行った。2成長期終了後に各器官の乾燥重量を測定した。光合成活性や、成長量、バイオマス配分はオゾン付加による顕著な影響を受けなかった。オゾン付加に対して、モノテルペン生成量は系統間・季節間差を示し、スーパーオキシドデジスムターゼ(SOD)活性とアスコルビン酸濃度は系統間・葉齢間差を示した。オゾン付加により発現が誘導された遺伝子にはストレス応答に関連する遺伝子が多い一方で、発現が抑制された遺伝子には細胞壁の構築に関連する遺伝子が多く見られる傾向を示した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947550581760
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_19
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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