福島県内のコシアブラにおける放射性セシウム濃度の斜面位置による違い

  • 香山 雅純
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 篠宮 桂樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Concentration of radioactive cesium at different slope position for Chengiopanax sciadophylloides in Fukushima Pref.

説明

<p>東日本大震災に伴う原子力発電所の事故から10年が経過したが、山菜として人気のコシアブラについては高い放射性セシウム濃度を検出しており、現在でも福島県内のほとんどの市町村において出荷制限や自粛がなされている。農作物では、放射性セシウムの吸収はカリウムの施肥によって抑制されることが明らかにされているが、コシアブラの放射性セシウム吸収とカリウムとの関係は不明である。そこで、本研究ではコシアブラの放射性セシウム吸収特性を明らかにするために、複数のコシアブラ生育地で土壌の調査を行った。試験地は、福島県田村市の4カ所 (船引町石森、船引町上移、常葉町西向、都路町古道) に設定した。各試験地の斜面の上部・中部・下部ごとに個体を選定し、葉・リター・土壌中の放射性セシウム137の濃度の測定を行った。2021年5月に採取したコシアブラの葉内セシウム137は、船引町上移、常葉町西向において斜面上部の個体で高い値を示し、リター中のセシウム137と正の相関を示した。また、セシウム137の面移行係数は土壌の交換性カリウムと負の相関を示し、カリウム濃度が高い立地では葉へのセシウム137の移行が抑制されていた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947550644480
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_670
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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