山岳域における樹木細根の非構造性炭水化物貯蔵と根特性の関係

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タイトル別名
  • The relationship between non-structural carbohydrates storage and root traits of tree fine roots in mountains area

抄録

<p> 細根の非構造性炭水化物(NSC)貯蔵は資源獲得や生長を左右するが、NSCがどの根特性と関係し、生育に影響を与えるかは明確になっていない。本研究は長野県の乗鞍岳の標高2500m地点において、常緑針葉樹のオオシラビソと落葉広葉樹のダケカンバの細根を対象に、NSC濃度、呼吸速度、比根長、根組織密度の関係を調査した。根系は3つの直径階級(D≦0.5mm、0.5<D≦1.0mm、1.0<D≦2.0mm)ごとに測定された。結果、デンプン濃度より可溶性糖濃度の方が根特性と強い関係を示した。両樹種ともに可溶性糖濃度は呼吸速度、比根長と有意な負の相関を示し、根組織密度とはダケカンバのみ正の相関を示した。デンプン濃度に関して、呼吸速度と根組織密度に相関はなく、ダケカンバの比根長においてのみ有意な正の相関を示した。可溶性糖は呼吸など細根の代謝に影響を及ぼす要因である一方、デンプンの直接的な影響は小さいと考えられる。また、呼吸速度と比根長は可溶性糖濃度に同様の反応を示したことから、末端の根系は生長や代謝が活発である一方、可溶性糖は主に直径の太い根系で貯蔵され、直径ごとに機能が異なると考えられる。本発表では樹種間差も含め議論を深める。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573947550649344
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_687
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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