COVID-19感染流行下における起立性調節障害患者の問題点と当院での取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • Problems in School Life and Countermeasures for Patients With Orthostatic Dysregulation During the COVID-19 Pandemic
  • COVID-19 カンセン リュウコウ カ ニ オケル キリツセイ チョウセツ ショウガイ カンジャ ノ モンダイテン ト トウ イン デ ノ トリクミ

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説明

起立性調節障害(OD:orthostatic dysregulation)は,自律神経系による循環調節不全が主要原因であり,心身症としての側面も強く不登校を伴うこともある。今回我々は,心身症としてのOD診断チェックリスト陽性OD患者のうち,不登校の原因とコロナ禍での問題点を調査した。期間は2020年4月1日から2021年10月31日に当院小児科外来を受診したOD患者67例を検討した。対象は平均年齢13.7±2.4歳,男20例:女47例であった。ODの各サブタイプの内訳は体位性頻脈症候群43例,遷延性起立性低血圧15例,起立直後性低血圧1例,起立直後性低血圧を伴う血管迷走神経性失神1例,他に従来の診断基準で陽性が7例あった。患者67例のうち,心身症としてのチェックリスト陽性が37例,不登校が22例であった。COVID-19(Coronavirus disease 2019)流行に伴い子供達の生活環境も一変し,変化に適応出来ず不登校になった症例や,体調不良を訴えると感染を疑われ,保健室で休養出来ず早退させられた症例もあった。また外出自粛による生活リズムの乱れや,運動不足も症状悪化の原因と考えられた。当院では自律神経調節機構の病態の説明や生活指導を患者本人や家族へ行ない,不登校の期間や心身状態の程度に応じて環境調整など学校と連携を取り,他医療機関の精神科と連携し心理療法を行なった。コロナ禍におけるOD患者を診察する上での問題点を考察した。

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