オゾン燻蒸機能付パスボックスの殺菌性能

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〔はじめに〕これまでのパスボックスは紫外線殺菌機能を付加したものが多いが,紫外線照射は紫外線があたる部分しか殺菌効果がない.またホルマリン燻蒸は安全性の面から使用しにくい.そこで中央材料室や無菌病棟で使用できるオゾン燻蒸機能付パスボックスを開発し,その殺菌性能を評価した.〔材料・方法〕装置はオゾンガス燻蒸機能付ボックスを使用した.殺菌処理後は自動的に分解を行い,CT値(オゾン濃度×時間)3,000ppm・minの場合17分で殺菌・分解処理が完了する.対象菌はStaphyoccus aureus ATCC No.43300を使用し,10^4個/mlの菌液を0.1ml寒天培地に塗布した.また滅菌ガーゼ(5×5cm)に10^8個/mlの菌液を滴下したものを殺菌対象とした.寒天培地およびガーゼをオゾン燻蒸機能付パスボックスに設置し,処理時間を変え,最大処理時間22分,最大CT値8,000ppm・minで処理した.オゾンを処理しないものをControlとし,処理後の残菌数を測定して殺菌率を出した.〔結果〕寒天培地の場合の殺菌率は運転時間12分(オゾン処理1分,CT値750ppm・min)で99.51%,運転時間14.5分(オゾン処理2分,CT値1,500ppm・min)以上では100%であった.ガーゼの場合の殺菌率は運転時間12分で90.5%,運転時間14.5分で99.38%,運転時間17分(オゾン処理4.5分,CT値3,000ppm・min)で99.53%,運転時間22分(オゾン処理9分,CT値8,000ppm・min)で100%であった.〔まとめ〕オゾン燻蒸機能付パスボックスはオゾン燻蒸4.5分,自動分解時間を含めても17分でCT値3,000ppm・minを処理できる.CT値3,000ppm・minの場合寒天培地では殺菌率100%,ガーゼでも99.53%という高い殺菌効果が認められた.今回評価したオゾン燻蒸機能付パスボックスは万一のオゾン漏れがある場合にはオゾンセンサで検知する機能も備え,安全性と高い殺菌性能を備えたパスボックスとして有用であると考えられる.

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