血液透析中に血圧低下を呈する透析患者に対する連続血圧モニタ機能を用いた血圧管理の有用性に関する検討

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〔目的〕血液透析中に血圧低下をきたし,透析困難となることに臨床上よく遭遇するが,透析患者を管理する上で,大きな問題点の一つである.そこで今回われわれは透析後半に著しい血圧低下を呈し,透析上注意を要する患者に対し,迅速な血圧モニタが可能なHASTE^【○!R】機能を用い,血圧低下の早期把握,処置が可能か否かについて検討した.〔対象〕当院における維持透析患者の内,透析後半に重度の血圧低下を呈する患者7名(男5名,女2名,平均年齢78.9歳)を対象とした.HASTE^【○!R】(H群)を用いたリアルタイム血圧管理を4週間行い,透析時間,処置内容などについてインターバル血圧管理(I群)との間で比較検討した.さらに,全身状態不良で透析管理が困難であった症例に対し,HASTE^【○!R】を用い臨床的に検討した.〔結果〕H群において,昇圧剤投与,補液回数,透析終了時間前返血の回数がそれぞれ有意に減少した.さらに,臨床上critical (120/mmHg台から80/mmHg台への低下)な血圧低下を検知するのに要する時間はH群26分,I群40分とH群において有意に短縮できた.〔考察・結語〕HASTF^【○!R】を用いた血圧管理により,重度血圧低下の軽減,透析治療の改善に有用であると思われた.HTASTE^【○!R】機能は,予測血圧が画面上に表示されるシステムであり,このような表示システムを視覚管理することにより,透析患者の血圧管理がスムーズに行い得るものと考えられる.

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