P-2-C-06 重症心身障害児施設入所児(者)の「個人チェックリスト」の分析

DOI
  • 三上 史哲
    川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療情報学科
  • 三田 岳彦
    川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療情報学科
  • 三田 勝己
    川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療情報学科 星城大学大学院 健康支援学研究科
  • 岡田 喜篤
    川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科
  • 末光 茂
    川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科
  • 江草 安彦
    川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科

書誌事項

タイトル別名
  • II.基本的生活活動と問題行動の経年変容

抄録

はじめに 日本重症児福祉協会では1979年から「個人チェックリスト」を用いて重症児施設入所児(者)の実態調査を行っている。その対象は2009年の時点で延べ人数約23万名に達している。この調査項目は基本項目とチェック項目に大別されるが、チェック項目は1988年に改定され、現在にいたっている。本研究では、個人チェックリストのチェック項目の中で基本的生活活動および問題行動について経年変容を分析した。 方法 分析対象は、チェック項目が改定された1988年から2009年の22年間のデータとした。基本的生活活動は、遊び、理解能力、表現能力の3項目に分類され、それぞれ7、4、6段階で活動の状態が評定されている。問題行動は、指しゃぶり・髪抜き・耳いじりなど、オナニー、自傷、首振り・頭叩きなどの常同行動、便こね、異食、攻撃的・反抗的態度、排他・拒絶傾向、奇声・叫声、ひどいいたずら、衝動的・発作的行動、他害の12項目に分類され、すべて3段階で評定されている。評定の尺度はいずれも1が最重度で、数値が高くなるほど軽度となる順序尺度である。分析では、大島の分類から重症心身障害群、重度知的障害群に大別し、各項目について、年次ごとの評定結果の頻度分布を求めた。 結果と考察 重症心身障害群(大島の分類1〜4)について、最重度尺度の1に注目すると、1988年から2009年の22年間で、遊びは23.2%から19.3%へ3.9ポイント減少、理解能力は20.6%から21.0%へ0.4ポイント増加、表現能力は23.0%から18.3%へ4.7ポイント減少した。問題行動の12項目では、22年間の差は-2.2から0.3ポイントの範囲となり、10項目が減少していた。基本的生活活動、問題行動とも、最重度の評定は減少かほぼ停滞していた。基本的生活活動の最重度評定の減少は各施設の取り組みの効果ではないかと推察する。問題行動の減少は、超重症児の増加など、問題行動ができないほど重度の入所児が増加したことの影響があると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574036142775040
  • DOI
    10.24635/jsmid.37.2_328_2
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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