実海域で取得した音響測位データが含む位置誤差の大きさ および発生要因の検討

  • 浅田 美穂
    産業技術総合研究所地質調査総合センター地圏資源環境研究部門物理探査研究グループ
  • 木戸 ゆかり
    国立研究開発法人海洋研究開発機構プラットフォーム運用開発部門運用部研究航海マネジメントグループ

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of the Magnitude and Causes of Positional Errors Contained in Underwater Acoustic Positioning Data

抄録

<p>潜水調査船やロボットといった海中にある対象物の位置を求める手法として一般的に用いられている「音響測位」には位置誤差が含まれる.海中に静止している対象の位置を音響測位で求めたところ,水平距離数十mオーダーの位置誤差が発生していた.測位値の海底における基準点からの水平距離の二乗平均平方根(RMSH)を水深で規格化すると,ほぼ全ての潜航イベントが0.8%未満に含まれ,外れ値を認定し除外するとおよそ0.5%未満に含まれた.さらに海中を移動する観測機器の位置情報には,音響測位による位置誤差に,慣性航法装置による誤差に加えて,面的データを作成する過程で施される「位置補正」による位置のずれがある.音響測位データに含まれる位置誤差は,複数のデータをコンパイルする場合や他の解析に二次利用する場合に影響を及ぼす可能性がある.音響測位データが多用途に使用される昨今では,一次解析者には,解析を実施したデータセットが含む位置誤差の大きさと要因を,二次利用者が利用できるよう記録を,できるだけ定量的に記録しておく必要がある.</p>

収録刊行物

  • 情報地質

    情報地質 33 (2), 41-50, 2022-06-25

    日本情報地質学会

参考文献 (10)*注記

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