アニフロルマブ(サフネロー<sup>®</sup>点滴静注300 mg)の薬理学的特徴および全身性エリテマトーデスに対する臨床試験成績

書誌事項

タイトル別名
  • Pharmacological actions of anifrolumab (Saphnelo<sup>®</sup>) and clinical trial results as a treatment for systemic lupus erythematosus

抄録

<p>全身性エリテマトーデス(SLE)は自己免疫疾患であり,免疫複合体の蓄積を介して多臓器に炎症を引きおこす疾患である.以前よりSLE病態にはⅠ型インターフェロン(IFN)が関与していることが知られてきたが,近年,Ⅰ型IFNはSLEの疾患活動性の中心的な役割を担っていることがわかってきた.疾患の発症前においても環境因子や遺伝因子による過剰なIFN産生は自然免疫系・獲得免疫の異常な活性化をもたらしている.IFNは,ヤヌスキナーゼ(JAK)/シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)を介したIFN誘導伝子を介して,SLEの免疫学的病原性において中心的な役割を果たしている.したがって,IFNに対する治療はSLE患者の炎症を抑える作用を期待されている.アニフロルマブ(サフネロー®)は,FDAに次いで日本では2021年9月にPMDAから承認を受けた.アニフロルマブは,中等症から重症のSLEの成人患者を対象としたⅠ型IFNα受容体のサブユニット1に対するヒト免疫グロブリンG1 kappa(IgG1κ)モノクローナル抗体で,標準治療を受けているSLE患者に追加投与をする薬剤である.投与は,4週間ごとに30分以上かけて300 mgの経静脈的投与が必要である.本レビューではアニフロルマブの薬理学的特徴およびSLEに対する臨床試験成績について概説した.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 157 (4), 271-279, 2022

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (51)*注記

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