経過観察中に濾胞性リンパ腫から形質転換を来したと考えられた古典的Hodgkinリンパ腫

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タイトル別名
  • Transformation of follicular lymphoma to classical Hodgkin lymphoma during observation
  • ケイカ カンサツ チュウ ニ ロホウセイ リンパシュ カラ ケイシツ テンカン オ キタシタ ト カンガエラレタ コテンテキ Hodgkin リンパシュ

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抄録

<p>症例は44歳女性。43歳時に右顎下部リンパ節生検で濾胞性リンパ腫grade 3A stage IIIと診断した。高腫瘍量だったが治療を望まず,1年半後に呼吸苦で受診し,表在リンパ節腫大の増悪と胸水貯留を認めた。PETで骨髄,肝,脾,肺,全身リンパ節(頸部,縦隔,傍大動脈,鼠径等)にSUVmax 10~18の集積増強を認めた。左鼠径部リンパ節生検を行うと混合細胞型古典的Hodgkinリンパ腫(CHL)で,病型移行または複合的な病態と考えた。A+AVD療法を施行し病変縮小や腫瘍熱改善,胸水減少を得た。2コース後PETで大半の病変の縮小または集積低下を認めたが,骨髄や左頸部に新出病変や集積増悪を認めた。左頸部リンパ節生検を行うと結節硬化型CHLだった。ESHAP療法に不応だったがnivolumabが著効した。濾胞性リンパ腫からHodgkinリンパ腫への病型移行は珍しく,無治療での病型移行としては初の報告である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 63 (6), 544-549, 2022

    一般社団法人 日本血液学会

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