血液凝固第IX因子濃縮製剤へのアレルギーに対する減感作療法の有効性

DOI Web Site 参考文献15件 オープンアクセス
  • 鈴木 伸明
    名古屋大学医学部附属病院輸血部
  • 兼松 毅
    名古屋大学医学部附属病院検査部
  • 岸本 磨由子
    名古屋大学医学部附属病院検査部
  • 鈴木 奈瑠子
    名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
  • 岡本 修一
    名古屋大学医学部附属病院検査部
  • 田村 彰吾
    名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻細胞遺伝子情報科学
  • 清井 仁
    名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
  • 松下 正
    名古屋大学医学部附属病院輸血部 名古屋大学医学部附属病院検査部

書誌事項

タイトル別名
  • EFFICACY OF DESENSITIZATION THERAPY FOR ALLERGY TO FACTOR IX CONCENTRATES

この論文をさがす

説明

<p>血液凝固第IX因子(FIX)濃縮製剤に対する重度なアレルギーに対し,減感作療法が有効であった血友病B 2例を報告する.【症例1】9カ月男児.重症.遺伝子組換え血液凝固第IX因子(rFIX)製剤の定期補充開始後,10回投与目にアナフィラキシーを発症.【症例2】55歳男性.中等症.出血症状に対して,通算4回目の血漿由来血液凝固第IX因子濃縮製剤を投与したところ,アナフィラキシーを発症.以上の2症例に対し,rFIXによる減感作療法を実施した.【結果】2症例とも減感作療法により,FIXに対するアレルギーが消失した.減感作療法中はアレルギー反応を始めとする有害事象を認めなかった.【考察】症例2は中等症であり,アレルギーの発症リスクが低い症例であったが,アナフィラキシーを発症し,中等症でも注意が必要であると考えられた.2症例共にアナフィラキシー発症前後に感度以下の弱力価インヒビターの存在が疑われたことから,インヒビターの発症に注意することはアナフィラキシーの発症予測につながる可能性が示唆された.減感作療法の治療プロトコールについては最適化されておらず,更なる検討が必要であると考えられた.</p>

収録刊行物

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ