パンデミックは学校のデジタル教育 に何をもたらすか

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タイトル別名
  • What Does a Pandemic Bring to Digital Education in Schools?

抄録

2020年3月のパンデミック宣言から世界各国では、なかでもフランスはどのような教育政策をとってきたのか。何に注意を払い、そこから何を教訓にできるだろうか。本稿では、教育格差の拡大を避けるために活用されるべき、遠隔・デジ タル教育の普及に注目してみたい。言うまでもなく、教育のデジタル化は必須の学習活動とされ、小学校から導入されている。ICT 教育に限定されず、多くの教科においてデジタル教材の活用がみられる。フランスでは、こうしたデジタル教育を地域間格差、学校間格差、あるいは不登校やマイノリティの学習の助けとなる道具として積極的に導入するよう考案されている。コロナ禍において、一斉休校や、分散登校によって、否応なしに教師も、児童生徒も保護者もデジタル教材の利用と遠隔授業を強いられたと言ってよい。その結果、新たにデジタル資本を持つ家庭か否かや、児童生徒および教師の力量とも関係し、資本の多寡によるデジタル資本格差に注意が必要である。またデジタル資本のグローバル化において新たなデジタル植民地の危険性も生まれた。コロナ禍の学校教育は、遠隔・デジタル教育の世界的な普及拡大を加速させたが、その影響について無自覚であってならない。

収録刊行物

  • 未来共創

    未来共創 9 (0), 199-223, 2022-03-31

    国立大学法人 大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574290246151552
  • DOI
    10.50829/miraikyoso.9.0_199
  • ISSN
    24358010
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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