九州沖縄および近畿地区の外部委託施設における微生物検査の現状調査報告

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タイトル別名
  • Questionnaire survey on the outsourcing of microbiological testing in the Kyushu–Okinawa and Kinki regions
  • キュウシュウ オキナワ オヨビ キンキ チク ノ ガイブ イタク シセツ ニ オケル ビセイブツ ケンサ ノ ゲンジョウ チョウサ ホウコク

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抄録

<p>国内の多くの医療機関が微生物検査を外部委託に依頼しているが,感染症専門医および微生物検査技師が不在な施設では検査結果を十分に利用できていない可能性が考えられる。2021年4~9月の期間,九州沖縄と近畿地区において外部委託施設の微生物検査に関し,E-mailを介したアンケート調査を行った。九州沖縄地区からは8県77施設,近畿地区からは6府県51施設の回答が得られた。集計対象施設は200床未満が83%(107/128),200–499床が16%(20/128),900床以上が1%(1/128)であった。感染防止対策加算1取得は15%(19/128),加算2は67%(86/128),加算なしは18%(23/128)であった。外部委託契約の定期的な見直しがない又はほぼないが約6割であり,一度契約した内容の見直しが実施されていない状況が判明した。検体の品質管理は,病院側と外部委託側でそれぞれ3割実施されていた。品質管理の記載がない報告書が約5割であり,総合コメントや薬剤耐性菌に関するコメントがある割合は約5割であった。常在菌の感受性検査を実施しないことを契約しているという回答は約3割であり,多くの施設は外部委託側に任せている状況であった。今回のアンケートを通じて,外部委託側と依頼する病院側の葛藤や難しい課題も見えてきた。今後,感染症の地域連携の仕組みを活用し,加算連携施設間で外部委託契約の見直しや監修,品質管理のルール作りや職員教育用教材の提供などに取り組む必要があると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (3), 485-492, 2022-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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