慢性蕁麻疹に対して清上防風湯と茵蔯五苓散の併用が著効した1例

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タイトル別名
  • A Case Report of Chronic Idiopathic Urticaria Successfully Treated with Kampo Formula, Seijobofuto and Inchingoreisan
  • マンセイ ジンマシン ニ タイシテ セイ ジョウ ボウフウ ユ ト インチンゴレイサン ノ ヘイヨウ ガ チョコウシタ 1レイ

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抄録

<p>51歳男性。X—1年5月から朝夕を中心として,全身の各所に蕁麻疹が繰り返し出没するようになった。皮膚科にて慢性蕁麻疹と診断され,抗ヒスタミン薬や当帰飲子の治療を受けるも改善せず,X 年1月に当院受診した。漢方医学的所見は,暑がりであり,皮膚は乾燥傾向,舌候は舌質が暗紅で苔は黄,脈候は沈弦で有力,腹候は胸脇苦満があった。血虚瘀血と肝気鬱滞と診断し,荊芥連翹湯や竜胆瀉肝湯を中心とした治療から開始した。若干の改善を認めるも効果不十分であった。漢方治療経過中の舌苔は厚いことが多かった。湿熱が蕁麻疹出現の主な要因であると考え,エキス製剤清上防風湯5gと茵蔯五苓散5~7.5gへ変更したところ,服用開始から1週間以降は蕁麻疹の出現はほとんどなくなった。</p><p>慢性蕁麻疹において,西洋薬での治療効果が不十分な症例にしばしば遭遇するが,漢方治療が有効となりうる可能性があると思われる。</p>

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