小伏在静脈に対するグルー治療後 腓腹静脈内にEGITを認めた1例

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タイトル別名
  • A Case of Endovenous Glue-induced Thrombosis (EGIT) into Gastrocnemial Vein after Cyanoacrylate Closure for Small Saphenous Vein

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抄録

<p>小伏在静脈(SSV)に対するグルー治療後に腓腹静脈(GCV)内にグルーと血栓の伸展(endovenous glue-induced thrombosis(EGIT))を認めた症例を経験したので報告する.症例は84歳,女性.主訴は頻回のこむら返り.左下腿部大伏在静脈(GSV)とSSVに逆流所見を認めた(C3-S Ep As,p,d Pr GSVb, SSV).重症度分類rVCSS; 3. SSV 15 cm, 末梢GSV 15 cmに対してシアノアクリレートを合計11回滴下した.手術2週後に下腿部GSVとSSVの閉塞を認めたが,SSVと合流していたGCV内へグルーの伸展がみられ,それに起因したGCV内の血栓形成がみられた.下肢の張り感を認めたため術後23日目に抗凝固剤を処方し,GCV内の血栓がなくなり通過状態に問題がないのを確認できた術後45日目まで抗凝固剤の内服を継続した.SSVには破格が多いため術前の解剖学的診断が重要であり,SSVとGCVが合流する症例では,本例のようなEGITが起こりうることを念頭に置く必要がある.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 33 (3), 267-271, 2022-07-29

    日本静脈学会

参考文献 (11)*注記

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