遺伝性のがんにおけるリスクの予測と予防 ——起点としての遺伝学的検査に着目して——
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- 李 怡然
- 東京大学医科学研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Prediction and Prevention of Hereditary Cancer: How Patients are Introduced in Genetic Testing
抄録
<p>今日、早期発見・早期治療にとどまらず、症状がない段階での発病リスク予測と予防的介入を中心とする医療が進められている。その背景には、遺伝子/ゲノム解析技術というテクノロジーの発展も深く関わっている。予測・予防のアプローチは、特に遺伝性のがん領域で推進されており、代表的な例として、分子標的薬や臓器の予防的切除など、治療・予防法が向上している遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が挙げられる。患者のみならず血縁者にとってもリスクを知ることが医学的に重要視されるが、遺伝情報を知ることは予防的切除や家系内での情報共有など、当事者に葛藤をもたらしうるものでもある。本稿は、HBOC患者のインタビュー調査をもとに、患者たちは、どのようにして、予測と予防のプロセスの始まりに位置する遺伝学的検査の受検に組み込まれていくのかを明らかにする。</p>
収録刊行物
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- 保健医療社会学論集
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保健医療社会学論集 32 (1), 34-44, 2021-07-31
日本保健医療社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390574411905373056
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- ISSN
- 21898642
- 13430203
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可