容器の歳差運動を用いた羽根のない撹拌機によるエマルションの生成

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  • Emulsification by a Bladeless Mixer Using Precession of a Container

抄録

<p>撹拌は工業的にもよく扱われる操作であり，その多くは撹拌槽内で撹拌翼を回転することで実現される．しかし，撹拌翼のある撹拌機には，いくつかの問題点がある．例えば，撹拌翼の形状が複雑であり洗浄に時間がかかることや，撹拌翼に試料がまとわりついてしまい採取できる量が減ることなどが挙げられる．そこで，本研究では撹拌翼のない撹拌機を提案する．具体的には，歳差運動をする容器内の流れを応用する．ここで歳差運動とは，回転する物体の回転軸自身がそれとは平行ではない軸まわりに回転する運動である．本研究では，開発した撹拌機の性能を評価するために，生成されるエマルションの性質を調べる．つまり，この撹拌機のせん断能力を，エマルションに含まれる油滴径を見積もることで評価する．さらに，最適な撹拌パラメータを，撹拌パラメータ（自転回転速度，歳差回転速度，充填率，容器サイズ）と油滴径との関係を評価することで特定する．これらの実験結果に基づき，提案した撹拌機が実用化可能であることを示す．</p>

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