在宅で生活する重症心身障害児(者)の死をめぐる母親の体験と社会的課題

  • 久保 恭子
    東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部 看護師
  • 坂口 由紀子
    日本医療科学大学 保健医療学部看護学科 保健師 看護師
  • 宍戸 路佳
    東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部 助産師 看護師

書誌事項

タイトル別名
  • Mothers' experience over death of their children with severe motor and intellectual disabilities and having lived at home and social concerns about those mothers.
  • ザイタク デ セイカツ スル ジュウショウ シンシン ショウガイジ(モノ)ノ シ オ メグル ハハオヤ ノ タイケン ト シャカイテキ カダイ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は、在宅で生活する重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の死をめぐる母親の体験と社会的課題を明らかにし、今後の看護のあり方を検討することである。研究方法は子どもを亡くした母親6名に面接調査を行い、質的帰納的に分析した。対象者の児の在宅生活は5年以上で、長期間多くの支援を受け、自宅で生活ができたケースである。在宅で生活する重症児(者)の死をめぐる母親の体験は<子どもの死へのアンビバレントな感情・恐怖><孤立感・孤独感><長年の療養・介護生活のリズムからの脱出><ワーク・ロスと就職活動><社会への恩返し・自己実現>であり、先行研究の母親のグリーフケアの過程を支持するものであった。本調査の新たな知見は、母親は<ワーク・ロスと就職活動>という社会的課題をもち、経済的な困窮への不安、家計や母親の老後の資金のために就職活動をするケースがみられた。障害児を持つ母親のワーク・ロスに関する研究は少なく、今後、重症児(者)の家庭の経済面も考慮した支援を検討する必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ