九州中部肥後変成帯に産する高度変成岩の変成温度圧力見積もり : シュードセクション解析

書誌事項

タイトル別名
  • Metamorphic P-T condition for high-grade metamorphic rocks from the Higo metamorphic terrane, central Kyushu, SW Japan. : Pseudosection analysis
  • キュウシュウチュウブヒゴヘンセイタイニサンスルコウドヘンセイガンノヘンセイオンドアツリョクミツモリ : シュードセクションカイセキ

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説明

九州中部肥後変成帯に産する高度変成岩(D帯,E帯)中のザクロ石の化学組成を用いて,熱力学的解析の「シュードセクション法」から,D帯およびE帯の変成温度圧力を見積もった。その結果,D帯では,約700-780℃,5-8 kbarが見積もられ,E帯では,D帯より高温高圧側の,約750-850℃,7-10 kbarが見積もられた。この,解析結果と,従来の地質学的温度圧力計を用いた変成温度圧力見積もりは調和的である。しかし,シュードセクション法による鉱物共生の解析から,E帯を特徴づける斜方輝石(Opx)の出現および珪線石(Sil),菫青石(Crd)の消失領域は,>850℃,>5 kbarの範囲に出現している。つまり,シュードセクション法によるザクロ石の化学組成から見積もったE帯の変成温度圧力は,鉱物共生の解析より低温が見積もられたことになる。さらに顕著な組成累帯構造を示すザクロ石のコアの化学組成を用いて,ザクロ石コア形成時の温度圧力を推定したところ,約300-450℃,7-10 kbarが見積もれる。組成累帯構造を示すザクロ石は比較的,低温高圧条件下で生成し,その後高温条件に達したことが推測される。

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