セックスロボットをめぐる倫理的問題 : 「表象の問題」と「治療としての可能性」を中心に

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抄録

セックスロボットは10 年前購入可能になったと言われている。言うまでもなく、現時点では、セックスロボットの機能は限られており、値段も高いため、誰でも好きなときに購入できるというわけではない。しかし、セックスロボットは驚くほどのスピードで進歩している。なるほど、セックスロボット業界のトップランナーの一人であったD. レヴィによれば、2050 年までに誰でも何気なくセックスロボットと性的行為を行うようになると主張していた。レヴィの予言が実現された場合、セックスロボットは人間の性的生活に対して重大な影響を与えると考えられる。実際、現代社会においても、その可能性に対する恐れから、セックスロボットに対する反対運動がすでに生じつつある。しかし、それにもかかわらず、日本ではセックスロボットの倫理に関する研究はほとんど進んでいないようである。そこで、本研究ノートではセックスロボットが人間と技術、あるいは人間同士の関係をどのように変えることができるかを具体的に考察するための第一歩として、欧米の倫理学におけるセックスロボットに関する研究の動向をまとめる。その際、手がかりになるのは「表象」という言葉である。というのも、どんな性的行為をも拒まない「理想的」な相手としてのセックスロボットは人間同士のセックスにどういった影響を与えるか、ということのほうが問題になることが多いからである。

収録刊行物

  • 応用倫理

    応用倫理 13 45-57, 2022-06-30

    北海道大学大学院文学研究院応用倫理・応用哲学研究教育センター

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574570123972864
  • DOI
    10.14943/ouyourin.13.45
  • HANDLE
    2115/86434
  • ISSN
    18830110
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
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