耳石器機能検査―非回転性めまいの病態

  • 今井 貴夫
    大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 原田 祥太郎
    大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 猪原 秀典
    大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Otolith function test: Pathophysiology of dizziness
  • ジセキキ キノウ ケンサ : ヒカイテンセイメマイ ノ ビョウタイ

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説明

<p>横方向に加速した際には両耳間方向に直線加速度が負荷される.頭部を傾斜させた際には両耳間方向に重力が負荷される.アインシュタインの等価原理により重力と直線加速度は区別することができない.しかし,眼が顔の前に二つ並んでいるヒトやサルはこれらを区別し,横方向に加速した際の耳石動眼反射である水平性眼球運動と頭部傾斜時の耳石動眼反射である眼傾斜反応の二種類を使い分けることができる.一方,眼が顔の横に二つ並んでいるマウスではこれらを区別することができず,耳石動眼反射としては眼傾斜反応しか存在しない.よって横方向に加速した際には直線加速度と重力との合力であるgravito-inertial accelerationに反応した眼傾斜反応が解発される.眼が顔の横に二つ並んでいる動物が前に並んでいる動物に進化する際に中心窩および両眼視による立体視を獲得し,それに伴い原始的な耳石動眼反射である眼傾斜反応がもう一つの耳石動眼反射である水平性眼球運動に進化した.</p>

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