新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)メインプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)経口阻害薬ニルマトレルビル(PF-07321332)の生殖発生毒性試験

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タイトル別名
  • Reproductive and developmental safety of nirmatrelvir (PF-07321332), an oral SARS-CoV-2 Mpro inhibitor in animal models

抄録

<p>【緒言】新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のメインプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)の選択的かつ強力な阻害薬であるニルマトレルビル(PF-07321332)は,パキロビッドパック(ニルマトレルビル錠とリトナビル錠から構成され,リトナビルはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性はなく,ニルマトレルビルの代謝を阻害し,その濃度を増加させる)の抗ウイルス成分であり,SARS-CoV-2の複製を抑制する効果を示す。【目的・方法】投与対象患者集団に生殖能力を持つ患者が含まれることを考慮し,ラットおよびウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験および雌雄ラットを用いた受胎能および初期胚発生試験を実施し,ニルマトレルビルの生殖発生への影響を評価した。ニルマトレルビルはICHガイドラインで適切と考えられている投与量の限界量である1000 mg/kg/日までの用量を投与した。【結果】雌雄ラットの受胎能および初期胚発生に対する影響はみられず,ラットおよびウサギに重度の発生毒性(胎児異常および胚・胎児死亡など)を示唆するような毒性所見はみられなかった。【考察・結論】雌雄ラットを用いた受胎能試験の結果,ニルマトレルビルは雌雄の受胎能に影響を及ぼさなかった。また,ラットおよびウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において胎児異常または胚・胎児死亡がみられなかったことから,臨床用量との曝露量比を考慮した場合,ヒトにおける胚・胎児発生に関するリスクは低いことが示唆された。これらの動物種での生殖発生毒性試験の結果は,ニルマトレルビルの標的は哺乳類の細胞に存在しないウイルス特異的タンパク質であること,オフターゲット作用を示す可能性は低いことおよび遺伝毒性が認められていないことと整合している。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574666166619776
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-184
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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