環境ストレスによるヒトiPS細胞由来リンパ球系細胞の加齢性変化の解析

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タイトル別名
  • Effects of environmental stress on lymphoid cells derived from human iPS cells

抄録

<p>近年、日本では高齢化が進み、免疫システムの老化が強く関連する慢性炎症疾患、がんや感染症などの疾患の増加が危惧されている。免疫老化の原因は主としてT細胞自身の過剰な分裂・増殖によって誘導される細胞老化であると考えられている。</p><p>そこで、本研究では、免疫細胞の老化予防法を開発する目的で、ヒトiPS細胞からリンパ球系細胞を経てT細胞に分化する過程で、環境ストレスを与え、各分化段階における加齢性変化を解析した。実験では、ヒトiPS細胞から胚様体を形成させ、12日間培養した後、造血系細胞を産生させた。その後CD34陽性細胞のリンパ球系細胞を分離し、さらに28日間培養してT細胞に分化させた。蛍光活性化セルソーティング(FACS)解析により、リンパ球系細胞とT細胞の成熟度合いを確認した。その結果、T細胞はCD4+CD8+を発現していた。さらに、ヒトiPS細胞からT細胞の分化の過程で環境ストレスを与える実験を行った。環境ストレスは、UV照射(BIO-LINK® BLX-365 , UV 254 nm)を使用し、時間は15分(0.375 J)と45分(1.125 J)に設定した。この照射を胚様体形成開始の7日目に行ったところ、照射量に応じたスフィアの形態変化が観察された。今後、さらに、免疫細胞における加齢マーカーの変動を観察し、初期の環境ストレスによる免疫応答の老化変化を検出する予定である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574666166644736
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-56s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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