DMSOを用いないReactive oxygen species (ROS) assayの検討

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  • Reactive oxygen species (ROS) assay without using DMSO

抄録

<p>【背景・目的】Reactive oxygen species (ROS) assay はin chemico光反応性試験として ICH S10ガイダンス及びOECD テストガイドラインNo. 495に収載されており、社内原料の光安全性評価に活用している。ROS assayにおける原因不明の問題(照射後のSuperoxide anionのBlank吸光度上昇)が媒体DMSOに起因することを発見し、Cu2+をリン酸緩衝液(NaPB)に0.1 μM添加することで安定した試験結果が得られることを報告した1)。しかしながら、ROS assayはDMSOを添加する試験系であること、Cu2+はSuperoxide anion scavengerであることからDMSOを用いない試験系の確立が望まれる。そこで、本研究では、DMSOを用いないROS assayの検討を行った。</p><p>【方法】超純水を用いてNaPBを調製し、被験物質にはProficiency chemicals 17物質を用いた。溶媒にはエタノール、イソプロパノール、アセトニトリル及びアセトンを用いて、手順はTG495に従って試験を実施し、Singlet oxygen(SO)及びSuperoxide anion(SA)の生成量をバリデーション研究で得られた許容範囲と比較した。</p><p>【結果】各溶媒のSO及びSAの生成量を確認し、陽性基準値を下回ったエタノール及びアセトニトリルを媒体として選択した。また、Norfloxacinは両方の溶媒に溶解しなかったため、残り16物質を評価した。エタノールについては、PromethazineのSOが基準値を下回り、KetoprofenのSAが基準値を上回った。一方、アセトニトリルについては、p-Aminobenzoic acidのSOのみが基準値を上回った。</p><p>【結論】アセトニトリルは偽陰性結果が認められなかったことから、ROS assayの溶媒として使用可能と考えられ、適用範囲の拡大が期待される。</p><p>【今後の予定】被験物質数を拡大し、溶媒の優先順位の検討を行う。また、植物抽出物などを用いた混合物評価やTween 20を添加することで難溶性物質にも適用拡大したMicellar ROS assayも検討する。</p><p></p><p>1) Ohtake and Hirota, 2022. J. Toxicol. Sci. 47, 109-116.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574666166652544
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-91e
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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