褐色細胞腫の周術期管理update-内分泌外科の立場から

  • 一川 貴洋
    名古屋大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科
  • 菊森 豊根
    名古屋大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科

書誌事項

タイトル別名
  • Perioperative management for pheochromocytoma and paraganglioma: From the viewpoint of endocrine surgery

説明

<p>褐色細胞腫とパラガングリオーマ(PPGL)はカテコールアミン産生腫瘍であるため,術前より適切に選択的α1遮断薬(主にドキサゾシン)を投与して周術期合併症リスクを軽減させる必要がある。本邦および各国の主なPPGLのガイドラインでは,術前のドキサゾシンの推奨投与量や投与期間,メチロシンの併用や生理食塩水の点滴負荷の有無などについてそれぞれ推奨度がやや異なる。当院での126例のPPGL手術症例経験に基づくと,ドキサゾシンの術前投与は約2カ月前から開始し,最終投与量目標は16mgに設定し,緩やかに漸増させ,その間は塩分や水分の経口摂取を励行することで安全かつ十分な術前準備が可能であり,メチロシン投与や生食点滴負荷は必須ではないと考える。また正常高血圧で自覚症状がない無症候性症例や,カテコールアミン産生が診断基準に満たない非機能性症例に対しても,術前ドキサゾシンの非投与時のリスクが大きいため,画像上PPGLと診断された症例は全例に術前ドキサゾシン投与することを推奨する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574721478838400
  • DOI
    10.11226/jaesjsts.39.2_116
  • ISSN
    27588777
    21869545
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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