小児における下鼻甲介肥大と顎顔面形態の関係

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タイトル別名
  • Relationship between Inferior Turbinate Hypertrophy and Maxillofacial Morphology in Children

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目的:成長期の小児における慢性的な鼻呼吸障害は,顎顔面形態の発育に影響を及ぼすことが示唆されている。本研究では,鼻呼吸障害の原因である重度の下鼻甲介肥大と小児の顎顔面形態の関係を明らかにすることを目的とした。<br> 方法:本研究では,下鼻甲介肥大群は鼻のクリニック東京で肥厚性鼻炎と診断され,下鼻甲介肥大を伴う患者50名(男児30名,女児20名,平均年齢8.9±1.7歳),対照群は昭和大学歯科病院に来院された患者50名(男児18名,女児32名,平均年齢8.7±1.4歳)であった。歯科用コーンビームCT画像を用いて上顎骨幅,上顔面の高さ,下顎骨幅,下顎体の長さ,下顎枝高,上顎歯列幅,下顎歯列幅,前頭蓋底長,後頭蓋底長,頭蓋底角,上顎歯槽基底部の前後的位置関係および下顎歯槽基底部の前後的位置関係を計測した。共分散分析を使用して,グループの違いを統計的に分析した。<br> 結果:上顔面の高さの増大,下顎体の長さや下顎枝高の短縮および小さな頭蓋底角が有意に下鼻甲介肥大と関連していた。<br> 結語:慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎などが原因で生じる下鼻甲介肥大により,顎顔面形態に変化が生じる可能性が示唆された。顎変形症の予防のため,小児期において正常な顎の発達を促すことが重要である。

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