慢性疼痛と新型/現代型うつ

  • 加藤 隆弘
    九州大学大学院医学研究院精神病態医学 九州大学病院集学的痛みセンター
  • 藤本 晃嗣
    九州大学大学院医学研究院心身医学
  • 細井 昌子
    九州大学病院集学的痛みセンター 九州大学大学院医学研究院心身医学 九州大学病院心療内科

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic Pain and Modern-Type Depression
  • マンセイ トウツウ ト シンガタ/ゲンダイガタウツ

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抄録

<p>背景:うつ病と慢性疼痛の関連は以前より示唆されているが,新型/現代型うつ(以下MTD)と慢性疼痛との関連を検討した研究はない. 目的:MTDに関連する心理特性と精神科受診者の慢性疼痛との関連性を検討した論文(FujimotoらFront Psychiatry 2021)を紹介する. 方法:大学病院または関連病院の精神科外来を受診した初診患者221名を対象とした.抑うつ症状の測定にはハミルトンうつ病評価尺度を用いた.心理的特性は22項目版現代うつ気質尺度(TACS-22)と20項目版トロント・アレキサイミア尺度(TAS-20)で評価した.測定項目の中央値を慢性疼痛の有無で比較した. 結果:221名の患者のうち139名が慢性疼痛を有していた.慢性疼痛を有する患者は,抑うつ症状,感情同定困難(TAS-20下位項目),そしてMTDの不平不満傾向(TACS-22下位項目)が高得点であった. 結論:精神科臨床での慢性疼痛には,MTDに関連する心理特性である不平不満傾向が関係していることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (5), 394-400, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

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