マキシトラッシャ,マキシセパレータの操業経験

書誌事項

タイトル別名
  • Operational Experience of MaxiTrasher and MaxiSeparator

抄録

日本製紙㈱岩沼工場は,3台の新聞専抄マシンを持ち年間約45万tを生産する新聞用紙の基幹工場である。近年のデジタル技術の発展による電子媒体の利便性から特に新聞用紙の国内生産は2004年の年間397万tをピークに減少し続け,現在200万tを割り込んでいる。岩沼工場で製造しているDIPは,新聞古紙を主な原料としているが発生そのものの減少や,国外への輸出により断続的に集荷が困難となっており,今後もこの状態が継続すると予想される。一方で,雑誌古紙は新聞同様に発生が減少しているものの低級な雑紙の混入が増えるなどの要因で回収量の減少は比較的緩やかであり,使用においても板紙向け低級品の活用枠を徐々に広げるなどして需給バランスを維持している。昨今の古紙集荷の環境変化に応じて低級な古紙の利用拡大は急務であると考える。<br>岩沼工場のDIP-2工程では,上記背景から低級古紙の利用拡大を目的にマキシトラッシャ及びマキシセパレータを粗選工程に導入する品質対策工事を2019年11月に実施した。本工事によって,雑誌古紙の増配合と洋紙工場では利用してこなかった低級な古紙を使用しつつも品質を維持することができ,新聞古紙の集荷競合緩和と安価な古紙の使用によるコスト削減に寄与した。今回,本対策工事で洋紙向けDIPに初めて採用したマキシトラシャ及びマキシセパレータの操業経験を報告する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 76 (8), 741-744, 2022

    紙パルプ技術協会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ