小規模調理、大量調理を行った和え物のカリウム、ナトリウム量について

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タイトル別名
  • Potassium and sodium content of dressed dishes after small-scale and mass cooking

抄録

<p>【目的】食品の質量や成分量は加熱等の調理によって増減するため、栄養計算する際には質量や成分変化率を考慮に入れることが望ましい。大量調理による成分変化率は小規模調理による変化率と異なると考えられるが、大量調理と小規模調理を比較した報告はほとんどなく、どの程度差があるのかは明らかではない。そこで本研究では、和え物のカリウム、ナトリウム量について同一食材で小規模調理と大量調理を行い、調理による成分変化率の差を調べた。</p><p>【方法】料理は主材料が野菜で茹で調理が行われるものとして「小松菜の辛し和え」「キャベツの梅しそ和え」「ブロッコリーとカリフラワーの酢醤油和え」を選んだ。小規模調理は4人分を中鍋、大量調理は50人分を大鍋およびスチームコンベクションオーブンを用いて行った。調理前の各食材と調理後の料理についてそれぞれ均一になるまでホモジナイズした後、分析に必要な量をサンプリングした。試料を希酸抽出法で抽出し、原子吸光光度法にてカリウム量およびナトリウム量を分析した。【結果・考察】カリウム量は全体として調理前に比べて調理後に減少する傾向を示し、減少率は大量調理(大鍋)が最も大きく、次いで小規模調理(中鍋)、大量調理(スチームコンベクションオーブン)の順であった。一方、ナトリウム量は調理前後の差や小規模調理と大量調理の差に一定の傾向が得られなかった。ナトリウムは食材由来のものより茹で後に行った調味による影響が大きいことが理由と考えられる。今回の結果から、和え物のカリウム量は同じ「鍋」での調理を行った場合でも小規模調理と大量調理で成分量に差が生じる可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754488969216
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_118
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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