香川県の家庭料理 地域の特徴

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書誌事項

タイトル別名
  • Kagawa Prefecture home cooking: local characteristics
  • Ingredients used in everyday and special occasion foods
  • ーハレとケの料理に使われる食材ー

抄録

<p>【目的】著者らは、日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の中で、香川県の家庭料理について調査し、「主食」、「おやつ」、「副菜」、「行事食」に分けてその特徴について報告してきた。今回はこれらの調査結果に基づき、香川県の人々が、どのような食材を、どのような場面で、どのように利用してきたかについて報告する。</p><p>【方法】県内各地の家庭の食事作りに携わった60歳以上の人に2013年12月~2015年3月に聞き取り調査をして得られた家庭料理のレシピから使われる食材を抜き出し、その特徴と調理方法について、ハレとケの料理に分けてまとめた。</p><p>【結果・考察】調査協力者は計28名、60~95歳の女性で、聞き取り調査より得られた家庭料理の総数は75であった。これらのうち、主食29とおやつ10に使われていた食材は、米、小麦粉、さつまいもが主で、ほとんどがハレの料理であった。主菜20のうち、ハレの料理は10で、新鮮な魚、イカ、タコを使ったさしみや天ぷら、あじを丸ごと焼いて三杯酢につけた料理などであった。ケの料理は10で、小魚を使った煮物や焼き物、野菜とたこの煮物などであった。副菜16のうち、野菜の煮しめ以外はすべてケの料理で、その食材は、旬の野菜や収穫後乾燥させて保存した切干大根、ずいき(里芋の葉柄部の皮をむいて乾燥させたもの)、そらまめ、大豆、干ししいたけ、乾燥わかめなどであり、それらを水で戻し、加熱後和え物や煮物にしていた。このように香川県では、ハレの料理には、米、小麦粉などを主食とし、新鮮な食材を主菜に使っていたが、ケの料理には、乾燥・保存しておいた貴重な食材を少しずつ取り出し、様々な料理の食材として有効利用してきたことがわかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754489046144
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_209
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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