低温調理における同一温度での保持時間が鶏肉の調理に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of holding time at the same temperature in low-temperature cooking of chicken

説明

<p>【目的】肉類をパックし通常の加熱温度より低い55~75℃程度の温度で一定時間加熱する事は「低温調理」として知られている。近年、低温調理器が普及し利用される事が多くなった。 身近な調理技術として利用する為には安全性確保のため設定温度での保持が望まれるが、その肉質の変化を知りたいと考えた。食品のたんぱく質変性は温度によって異なる事は知られているが、同温度で一定時間保持した場合の変化は詳細が明らかとなっていない。そこで設定温度に到達してから同温保持時間の経過が調理へ与える影響を明らかにする事を目的とした。</p><p>【方法】鶏むね肉(北海道産)を10×5×1(㎝)、重量70±5gに切り出し、加熱前にフィルムで真空密閉し、冷蔵庫内保存したものを使用した(初期温度:9±1℃)。加熱には恒温槽(TAITEC BF-400)を用い、実測値で70、75℃に設定し、鶏肉の中心温度が加熱温度に到達した時点を0分とした。さらに30分、60分間、恒温槽内に放置した。加熱中は熱電対(直径0.4mm)を用い水温、肉の中心温度を測定した。加熱・保持後にフィルム内に溶出した肉汁量、鶏肉の重量変化率、形状変化率、テクスチャー(TA.XT.plus使用)を測定し、微生物検査を行った。</p><p>【結果・考察】70℃、75℃ともに保持時間が長くなると肉汁が有意に増え(危険率5%)重量が減少した。75℃より70℃保持の方が肉汁の溶出が少なかった。形状変化については、75℃では保持による差がみられたが、70℃では有意差はみられなかった。楔形プランジャーによるせん断では、個体差が大きいが保持時間によって低下している傾向が認められた。低温であっても、保持時間により肉質に変化が起きた事が推察できた。今後は保持時間による変化を官能評価で確認予定である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754489139968
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_45
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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