原発事故とCOVID-19─10 年間の親子のメンタル支援の経験から─
-
- 内山 登紀夫
- 福島学院大学 よこはま発達クリニック
書誌事項
- タイトル別名
-
- The Fukushima Nuclear Accident and the COVID-19 Pandemic: 10 Years of Experience in Mental Support for Parents and Children in Fukushima
この論文をさがす
抄録
2011年3月11日東日本大震災が発生し,それに続く福島第一原発事故のために大気中に放射性物質が放出され,多くの人々に不安を与えた.その後,熊本地震などの多くの自然災害が生じ,2019年にはCOVID-19禍が,そして2022 年2月にはウクライナ危機が生じた.2022 年6月のCOVID-19をめぐる現状は原発事故後の状況と酷似しているように見える.原発事故後に福島で起きたことと,パンデミック,ウクライナの避難の問題は,放射線とウイルス,戦禍と原因は違うが,社会的状況や人々のメンタルに与えるメカニズムには通低する部分もあり,福島の教訓が活かせることも多いのではないだろうか.災害の影響は長期にわたって続く.メンタルヘルスの支援者は,社会全体の雰囲気とは醒めた目で一定の距離をとりつつ,親子にとって有効な支援を長期にわたって継続することが望まれる.
収録刊行物
-
- 小児の精神と神経
-
小児の精神と神経 62 (3), 211-220, 2022-10-01
一般社団法人 日本小児精神神経学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390575108416690176
-
- ISSN
- 24341339
- 05599040
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可