加熱下及び燃料膨潤下におけるポリオキシメチレンの分子運動性と高次構造の解析

  • 永尾 達彦
    ポリプラスチックス株式会社研究開発本部研究開発センター
  • 八木 敦史
    ポリプラスチックス株式会社研究開発本部テクニカルソリューションセンター
  • 神田 裕基
    ポリプラスチックス株式会社研究開発本部研究開発センター
  • 川口 邦明
    ポリプラスチックス株式会社研究開発本部研究開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Mobility and Higher-Order Structural Analysis of Polyoxymethylene under Heating and Fuel Swelling

説明

<p>ポリオキシメチレン(POM)は代表的な結晶性のエンジニアリングプラスチックであり,耐燃料性などに優れることから,自動車燃料系システム部品に多く利用されている.このような用途では燃料とPOMが直接接触することで,POMがわずかに燃料を吸収して膨潤し力学特性が変化することが知られている.力学特性の変化としては環境温度の影響が従来から知られており,これらの要因についてPOMの分子運動性や高次構造に与える影響を調べることは,製品設計においても重要であると考えられる.本研究では,加熱下および燃料膨潤下におけるPOMの分子運動性および高次構造変化について,固体NMRおよび広角X線回折(WAXD),小角X線散乱(SAXS)を用いて解析を行った.固体NMR測定の結果,加熱下では結晶相から非晶相までを含む全ての領域の分子運動性が向上した一方で,燃料膨潤下では非晶相および中間相のみの選択的な分子運動性の向上が認められた.また,固体NMR,WAXDおよびSAXS測定の結果から,燃料膨潤下では結晶化度の増加と膨潤による非晶部の体積増加の変化が同時に生じていることが確認された.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 71 (9), 511-516, 2022-09-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (10)*注記

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