Seasonal changes in the activity area of troops in Japanese macaques in Hyogo prefecture using GPS transmitters

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  • GPS発信機を用いた兵庫県ニホンザルの群れの活動面積の季節変化

Abstract

<p>農作物被害を出す加害群を効率よく追い払うには,群れの広がりを把握する必要がある。しかし,群れの広がりについて先行研究はほとんど認められていない。空間的な群れの広がりについてGPS発信機を用いて分析を行った。兵庫県神河町に生息する大河内A群およびB群の2群を対象とした。GPSのスケジュールは,8:00,10:00,12:00,14:00,16:00の2時間毎と夜間20時で1年間測位を行った。GPSを装着した個体は,2群とも成獣メス4個体で,常染色体DNAマイクロサテライト分析から,母親は別個体であることを確認した。各群れ4頭の同時時間帯の測位点を,それぞれ線で結び,面積を算出した。各群れ4頭の同時測位率は,A群が72.5%,B群が71.5%だった。2群とも群れの活動面積は,秋が最も広がりA群(平均11550㎡±22)B群(平均11007㎡±19)であった。次に春(A群;平均8252㎡±25)(B群;平均8105㎡±21),夏(A群;平均7142㎡±15)(B群;平均7753㎡±15)で,冬(A群;平均2655㎡±10)(B群;平均2333㎡±8)は,最も活動面積が狭かった。我々が先に分析した行動圏面積では,大河内A群およびB群とも,秋が最も行動圏が広く冬で最も狭かった。行動圏面積の季節変化は,自然植生フェノロジーおよび農作物フェノロジーとの関係が最も影響していた。群れの広がりの季節差を生み出す要因の一つに,採食物との関係が考えられる。秋,自然植生では堅果類,そして農作物では黒豆,小豆を採食する割合,量が多く,個体間で競合しないため別々の食物パッチを利用していた可能性が考えられた。加害群を追い払う場合,秋は群れが最も拡大しているため,群れの広がりに注意しながら,追い払いする必要がある。</p>

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