細胞死と播種性血管内凝固―最近の基礎研究の動向―

  • 伊藤 隆史
    熊本大学大学院生命科学研究部生体情報解析学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Recent advances in basic research on cell death and disseminated intravascular coagulation

抄録

<p>感染と組織損傷は炎症を惹起する二大要因である.炎症を惹起する過程においては,死細胞から放出される生理活性物質(damage-associated molecular patterns: DAMPs)が重要な役割を果たしている.DAMPsは生理的な炎症反応,免疫反応,組織修復反応に関わる一方で,慢性炎症,自己免疫疾患,さらには劇症型の急性炎症性疾患や播種性血管内凝固の病態にも深く関わっている.近年,細胞死の制御機構やDAMPsの放出機構が詳細に明らかになってきていて,これらを標的とした新規治療法によって前述の病態を軽減できるのではないかと期待が高まっている.本稿では,細胞死,DAMPsの放出,DAMPsの作用に関する最近の国内外の基礎研究の動向を概説し,炎症性疾患や播種性血管内凝固の病態を考察していきたい.</p>

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参考文献 (22)*注記

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