タヌキモ科フサタヌキモの学名のレクトタイプ

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書誌事項

タイトル別名
  • Lectotypification of <i>Utricularia dimorphantha</i> (<i>Lentibulariaceae</i>)

抄録

<p>フサタヌキモの学名Utricularia dimorphantha Makinoのタイプは選定されていないので,ここでタイプ選定をおこなった.原発表では3点のシンタイプと1点の図解が引用され,シンタイプはいずれもMAKに現存する.レクトタイプはシンタイプが存在するならばまずシンタイプから選定しなければならない(メルボルン規約第9.12条).シンタイプ3点を比較した結果,“[Prov. Echigo. T. Kurihara!] Aug. 11, 1904”と引用された標本が唯一花を備えており,花の記述の詳しい原記載によく一致した.この標本は採集者のラベルを欠くが牧野のメモに基づくとJapan. Honshu. Niigata Pref., Shirone-shi, Shirone. Aug. 11, 1904. T. Kurihara s.n. (MAK 311228) である(Fig. 1).この標本を学名Utricularia dimorphantha Makinoのレクトタイプと選定した.なお,同日同所で伊藤誠哉によって採集されたフサタヌキモの標本が北海道大学総合博物館にある(SAPS 013326).伊藤は1883年生まれ,新潟県立新潟中学校を経て東北帝大農科大学(北大)で宮部金吾の弟子,菌類学者であったから若い時から植物にも深い関心があったのであろう.2点の標本の関連は不明だが,伊藤が栗原九十九と共に珍奇な水草(後のフサタヌキモ)の標本を作ったのかもしれない.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 91 (2), 112-114, 2016-04-20

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575285352273024
  • DOI
    10.51033/jjapbot.91_2_10654
  • ISSN
    24366730
    00222062
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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