『植物研究雑誌』の歴史

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書誌事項

タイトル別名
  • History of <i>The Journal of Japanese Botany</i>

抄録

<p>『植物研究雑誌 The Journal of Japanese Botany』は2016 年に100 周年を迎えた.この機会に本誌の歴史を通観した.この100 年間の本誌の歴史は,時代の変動にもかかわらず,著者・購読者・後援者などの関係者が絶え間なく築いてきた実績であり,創刊以来連続して今日の発展に至っている.本誌は伝統的な立場を基本として,植物分類学と生薬学,関連植物学分野,科学史研究などの分野で,専門家もアマチュアも論文を発表できる雑誌であることを特色としてきた.ここでは本誌の歴史を編集員代表(編集主幹)毎に5 期に区分した.第1 期は牧野富太郎時代1916–1933 の創設期であり,牧野の個人雑誌の色彩が強い.第2 期は朝比奈泰彦時代1933–1975 で,本誌変革期から発展期となり,太平洋戦争の影響による苦難期(1944–1950) を経て安定期に至った.朝比奈は第9 巻(1933 年)から本誌を純学術誌としての編集方針に改めた.第10巻(1934年)から第18巻(1942年)では1 巻が12 冊で770–945 ページとなった.戦争の影響を脱したのは第26 巻(1951 年)であった.第3 期の原 寛時代1975–1986 には安定期が続き,1 巻12 号の構成が維持された.第4 期の柴田承二時代1986–2007 に本誌は第66 巻(1991年)からA5 版毎月発行をB5 版隔月発行に転換した.現在の第5 期にはこれまでの同好会としての本誌編集会による編集を,第83 巻(2008 年)から編集委員会が編集してかつ本誌登載論文等の著作権等の権利を譲受することとなった.また,2011 年から投稿規定を改め,本誌への投稿を1年以上の会員に限っていた規則を止めて,登載希望者に自由に投稿できることとした.2016 年には創刊以来の本誌に掲載された全論文(原著論文,諸報告,新刊紹介・書評など)の電子アーカイブ[http://www.jjbotany.com/] が公開された.</p><p> 最近の各巻ごとの本文と索引を合わせた総ページ数は,第88 巻(2013 年)420 ページ,第89巻(2014 年)446 ページ, 第90 巻(2015 年)448 ページとなっている.第91 巻は通常号6 冊に本「創刊100 周年記念号」を加えた特別巻として刊行される.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 91 (suppl), 3-15, 2016-12-23

    植物研究雑誌編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390575285352274432
  • DOI
    10.51033/jjapbot.91_suppl_10714
  • ISSN
    24366730
    00222062
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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